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職員室のドアをノックして恐る恐る開ける。
「失礼しますっ。あっ、あのっ、9月から転入するっ、瀬戸 優(せと ゆう)ですっ。みっ、宮野先生はいらっしゃいますでしょうかっっ」
(あぁー、テンパりすぎだ。なんでこんなに噛んでんだろ。うー、恥ずかしい。)
なんて思っていると、職員室には宮野ともう1人の教師しかいなかったようで、2人がこちらを見ていた。どちらの先生だろうかと、びくびくして様子を見ていると若い男性がこちらに向かって来る。
「おー。来たか。俺が宮野だ。これからよろしくな!」
近くまで来ると、優は宮野を見上げて絶句してしまう。
遠くから見ても爽やかそうな雰囲気だったが、近くで見ると切れ長な目にすっと通った鼻筋、薄い唇。その整った外見は顔だけではない。
何かしらスポーツをやっていたのか、ポロシャツの袖から出ている腕には適度筋肉がついており、服を着ている上からでも、がっしりした体格なのがわかる。
それよりなにより、紺色のポロシャツにベージュのチノパンとラフな格好にもかかわらず、どこかの広告から抜け出してきたようだ。
(てか、この先生すっごくカッコいいんだけど。
なにこの人。モデルとか芸能人ってくらいスタイルもいいし、なんか爽やかだし。)
思わず見惚れてしまってたら、宮野は既に職員室を出てスタスタ歩いて行ったので、慌てて追いかけた。
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