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ある時、村の外れでアンリエットがあるものを見つけた。
急いで家に帰り、ヴィヴィアにしがみつく。
あまりの興奮ぶりに言っていることのほとんどが伝わらなかったが、色々とまくし立てるアンリエットに引きずられるようにして村の外れへと連れて行かれた。
野生の動物が徘徊することもあるので、人家からあまり遠くまで行くのではないということを常々言っているということを嗜めるが、やはり興奮しているアンリエットには聞く耳がない。
やがてヴィヴィアも、それを見つける。
冬季ではないにしても頂上付近には雪の残る山々を登るには軽装すぎる格好で倒れ伏すソレは、一刻の猶予もないように見えた。
あまりの異常事態に、しかし見捨てるのは少女が人間社会に帰った時を考えると悪影響になりかねない。
仕方なく彼女はあまり力の強くない自分でも引きずれるように、さして多くない装備を剥いで目印となる木の根元にまとめて置き、何とか家まで引きずりある程度汚れを落として自分のベッドに寝かせた。
「あの男、どうしたらいい?」
何の感情も含まない瞳でそう私に尋ねてきたので、私は処分の方法ではなく処置の方法と手順だけ伝える。
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