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どちらが誘導したのか気が付いたら一糸まとわぬ姿でベッドにお互い横たわっていた。
私の茶色くて短い髪と彼女の黒くて長い髪が絡まり合っていく。
「あたしも吸って良い?」
彼女は私の上にまたがり、私の右の胸に唇を這わせ、胸の頂きを舌で転がした。
「くふ……」
私は声が出そうになるのをシーツを握りしめて我慢した。
「まだ、私、良いって言って……ないよ……」
「さっき、あたしが返事をする前に舐めたじゃない」
それもそうだ。そうだけど……。
「ん……」
胸に這わせてた彼女の唇が今度は私の唇に重なってきた。舌の感触をお互い確かめ合うように、ゆっくりと優しく。
彼女の黒い髪を撫でながら。私の茶色い髪を撫でながら。
吐息と一緒にお互いの名前を、もちろん、下の名前を呼び合う。
彼女が私に溺れていくのがわかる。私も彼女に溺れていく。
身体の快感だけじゃない。心が溶ける感覚に私も彼女も酔った。
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