偽りの眠り

おじいちゃんの入院

　思ったより早く返事が来た。どうやら寮でゲームをしていたらしい。やっぱりね。急に私からメッセが来るから、ゲームオーバーになってしまったと文句を言われる。罰金百万円？バカじゃないの？あ、追伸。
『わかった。すぐ帰る。』
　イイよ。帰って来なくて！

　私の心配にも関わらず、結局今のところ幸いにも私の出番はない。昨日は早速友達とプールに行って遊んできた。凄い楽しい！でも、なんだかちょっと後ろめたい気分もしていた。
　おじいちゃんが嫌いなワケじゃないし、小さい頃はおじいちゃんちに行くと、美味しいものがいっぱい、後から後から出てくるから、楽しみだった。
　あと、おじいちゃんには英語を習った。おじいちゃんは英語が大好きで還暦過ぎてから英検一級を取った。実際、凄いと思った。私は英検三級を取ったから一級の凄いのは分かる。でも、結構見栄っ張りで、英語の個人塾を開く時に英検一級をアピールし過ぎだった。結局、お弟子さんは一人だったらしい。同じマンションに住む女子高生で、志望大学に受かったらしいけど、僕の教え方がよかったんだと、自慢していた。正直耳タコだった。
　その後、数日はバタバタしていたが、おじいちゃんの治療は順調で回復に向かっていた。…はずだった。