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ICU 集中治療室
入院して数日後のことだった。おじいちゃんの容態が急変した。診察中、おじいちゃんがお医者さんと話しているうちに激昂してベッドに立ち上がり、自分で胸の血管に繋がっているカテーテルを引き抜いたらしい。今は鎮静剤を射たれて眠っている。その時は家族が誰もいなくて、落ち着かせるのに相当手間取ったらしい。
おばあちゃんの話では、お医者さんからは癇癪持ちなら言っておいて貰わなければ困ると言われたらしいが、何が原因でそんなに怒ったんだろう。確かに気の短かいところはあったけど…。同じようなことがあると危険なので、治療の間はしばらく眠っていて貰いますとのことだ。まったく人騒がせなおじいちゃんだ。
そんなこともあって、おばあちゃんは夜中も寝ているおじいちゃんに付き添うことにしたみたい。でもおばあちゃんも体力が続かないから、お母さんが交代したりして付き添いしていた。そしてとうとう今日はおばあちゃんとお母さんが疲れて寝込んでしまった。
「一晩だけでいいから。」
おじいちゃんを心配するおばあちゃんのお願いもあって、あまり気が進まないけど、私とお兄ちゃんが泊まり込むことになっちゃった。
「よう。久しぶりだな。妹よ。」
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