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「その言い方止めてくんない?ムカつくから。」
お兄ちゃんは仕事を休んで来たらしい。忙しくてこんなことでもないと休みが取れないんだって。しばらくはお互いに近況報告。はて、この後どうしよう?
「とりあえず、おじいちゃんのところに行こうぜ。」
そうだ!それが目的だった。
「そうだね。」
規則正しい電子音が生命のリズムを刻んでいる。私達はICU、集中治療室と呼ばれる病棟に入った。そこは病状が急変したおじいちゃんのような患者が運び込まれるところらしい。ベッドに寝てるおじいちゃんには点滴やら、コードやら色々なものが繋がっている。コードの先には医療用の電子機器が繋がり、おじいちゃんのバイタルをモニターしている。電子音はこの機器から出ていた。
「胸の辺りに繋がっているのはカテーテル管みたいだな。たぶん心筋梗塞の狭窄部に繋がっているんだろ。」
お兄ちゃんが解説してくれた。きっと、心筋梗塞について検索してきたんだ。暇だから。
部屋の中は綺麗にされている。白い天井、壁、床、間仕切りのできるカーテンも真っ白に白くて、消毒の匂いがした。
「涼しいな。」
お兄ちゃんは暑がりだからね。
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