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「もうすぐ心筋梗塞の治療は終わりますからね。そしたらおじいちゃんも目が覚めるから。」
看護師さんはテキパキと点滴を替えると出ていった。しばらく座ったら案の定おしりが痛くなってきた。お兄ちゃんもパイプ椅子の具合いが気になるらしく、頻繁に座り直している。
「…ねぇ、待合室に行かない?」
お兄ちゃんはちょっと考えたようだが、そうだなと言うと立ち上がった。
「朝までどうすっかな。」
「お兄ちゃんはゲームでもしてたら?どうせ寮にいてもやることは同じでしょ?」
「お前はどうするんだ?…あ、そうだ。ちょっと一緒にゲームやんねぇ?仲間がいないと出来ないイベントがあるんだ。」
おーい!いつまでボッチ体質なんだい!
私達はその後、ナースステーションの隣りにある付き添い者用の待合室でゲームをした。他には誰もいなかったが、たまにナースステーションに出入りする看護師さんが不思議そうな顔をして私達を見ていた。
気が付いたらお母さんが待合室に入ってきて、呆れた顔をして声をかけてきた。窓の外は明るい日差しが眩しい。結局ゲームで完徹してしまった。
「あんた達!もう帰っていいから。お兄ちゃんもウチに行って寝なさい。まったくしょうがない子だね。」
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