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「彩…泣いていいのよ。お父さん今頃神様に彩の自慢してるわ。俺の娘はいい子だ、て」
「お母さん、悲しいなら涙し流してあげて?私も泣きたいとき泣いちゃうから」
「っ、そう、ね…」
そう言ってまた泣き出したお母さんの背中をさすりながら祭壇にある遺影を眺める。一昨年家族旅行に行ったとき撮った写真。
「神様とお父さんが、彩のことも、お母さんのことも、見守ってくれるから…!」
神様、か…
神様、あなたは本当にいるんですか?
神様、いるのならなんで私達家族からお父さんを天国に連れて行ってしまったんですか?
神様、これは試練ですか?
私とお母さんが協力して生きていけるかテストしたいんですか?
心でどんなに語りかけても、神様から返事はこないし、お父さんもわらっているけど答えをくれない。
お母さんは泣いている。大好きな人を失ったのなら当然だよ。
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