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GOD of RAP
「ちょっとー、雨の神!あんたがサボってるせいで森が枯れてるじゃない。早く雨降らせなって!」
「うるせぇな、火の神。お前こそ、この前調子に乗って山火事起こしちまったくせによ」
「喧嘩はよくないよ……。私がまた森を作ればいいだけだし……」
大きな球体を囲んで、多くの神々が騒ぎ立てている。
水晶のように透き通ったその球体の中には、枯れて変色した森林が写し出されており、その様子を見た火の神が、「水やり」を忘れた雨の神を叱責しているのである。森の神がおろおろとした様子で止めに入るが、どちらの神も引こうとはしない。
「始まる口論 飛び交う暴論
俺には騒音 耐えれぬ高音」
その様子を眺めながら、大きくため息をついたのは――「ラップの神」だった。
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