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ここは、神々が集う学校。教えられるのは、「世界の作り方」だ。各クラスに分かれ、「世界樹の種」と呼ばれる透明な球体を使って、その中に写し出される一つの世界を100億年かけて作り上げる。
雨の神は世界に潤いを与え。
火の神は古くなった森を燃やし。
森の神は新しい木々を生やして生命を育む。
それぞれに役割があり、みんな試行錯誤をしながらも、神としての力を成長させているのだ。
その一方で、ラップの神はというと――。
「見つからぬ仕事 投げられる小言
俺は丸ごと 見事に用無し」
「40億年くらい言ってるけど、その喋り方うざいからやめてくれない?」
火の神が辛辣な言葉を投げてくるが、ラップの神はそれを無視して、「世界樹の種」の中に広がる光景と、そこに息づく生き物を眺める。
このクラスが始まってから、早40億年。「世界樹の種」に広がる世界の中に、様々な神が自然を作り、動物を生んできたが、「ラップの神」が自らの技術を伝えられる生物はいまだ誕生していない。猿とかいう動物は惜しいところまで行ったが、いくつかの条件がクリアできなかったため、失敗に終わった。
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