GOD of……?

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GOD of……?

 ラップの神が目を覚ますと、そこは神々の教室だった。 「やっと起きたわね、ラップの神」  火の神が、それほど興味なさげな様子で言葉を投げてくる。  辺りを見回すと、雨の神、石の神、恐竜の神などが「世界樹の種」を覗き込んでいた。 「そんなこと言いつつ、結構心配してた……。火の神は素直じゃないね……」 「ちょっと、森の神!それはコイツが10年間目を覚まさなかったからよ!」  10年間。神にとっては短い期間だが、人間の世界が様変わりするにはじゅうぶんな時間だ。  あの「大総統」は、どうなったのだろうか。人間の世界は。 「それがね、あの後、大総統とかいう人間が倒れたから、他の国に攻撃を仕掛けるのはひとまず中止になったの」  火の神が、10年前の様子を思い出しながら、ラップの神に説明する。 「それからしばらくして、その人間が目覚めるとーー」 「びっくりするくらい、おだやかな善人になってて……。戦争をやめて、世界平和を目指すようになってたんだよ……」  森の神が、待てないとばかりに火の神の台詞を奪う。彼女にしては珍しく興奮しているな、とラップの神は考えた。それほど人間が和平の道を進んでくれたことが嬉しかったのだろう。  教室の中心に置かれた「世界樹の種」には、あの大総統の現在の姿が写し出されている。どうやら、今は他国との会談中のようだ。会議室の椅子に座る彼の姿からは、森の神の言う通り、他者を圧倒するような威圧感が消え失せている。その代わり、猫を膝の上にのせて愛でていそうな柔和な雰囲気が醸し出されていた。 『あの時、私に神が舞い降り、民衆が踊り明かした日。私は武力で民を従えてきたこれまでの行いを反省し、和平の道を進もうと決意しました。』  大総統が、他国の王に向かってそう述べている。  ラップの神は、小躍りしそうな衝動を抑え、火の神に告げた。 「俺が参上 人の心情   変えた現状 気分は上々!」 「いや、大総統とやらが心変わりしたのは、アンタがあの人間に取り憑いて『神ラップ』を踊ったからじゃなくて、石の神が最後にぶつけた小石のショックで人格が変わったからだっていうのが、私たちの見解よ」 「お前は非情 まさに無情   言葉が過剰 俺からは以上……」  文字通り、とりつく島もない返答をされ、ラップの神は肩を落とす。
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