第二話「新しい家政婦」

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    4  父が亡くなったと知らされた時、花衣は一人で自宅にいた。  念願だった服飾専門学校に合格し、デザイナーになるための夢の一歩を踏み出そうとしていた矢先の、二度目の訃報だった。  香代が亡くなった時も大きなショックを受けたが、父の死はそれを遥かに上回るものだった。  そんな花衣を、更なる悲劇が襲った。  秋介は三千万円もの生命保険に入っており、香代の飛行機事故での見舞い金も合わせて、花衣にはおよそ六千万円の遺産が入る予定だった。  しかし秋介の遺言を預かっているという弁護士が現れて、生命保険金の受取人は花衣でなく伯父の景一だと告げた。  秋介は生命保険金も一戸建ての自宅も車も、その他の遺産全てを、兄、景一に渡すと遺言を書いていた。  また自分が受け取った妻の遺産は、花衣に渡さず自分の故郷の菩提寺に寄付するとも書かれていた。  なぜ父親がそんな冷たい仕打ちを自分にするのか、花衣は最初、意味が分からなかった。  しかし事情を知る伯父から真相を聞かされて、さらに父の遺品から問題のDNA検査の結果を記した書類も見つかり、彼女は伯父の話が真実なのだと知った。     
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