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ホッケウの眠り
ホッケウは、いつもお母さんと一緒。
ホッケウは、とてもお母さんが好き。
あったかいお母さんの、あったかいお腹でお昼寝するのが好き。
やさしいお母さんの、やさしい目に見つめらてねむるのが好き。
ホッケウは、お母さんがとってもだいすき。
でもある日、お母さんはとつぜん元気をなくしてしまった。
ホッケウと一緒に、森をおさんぽすることもできない。
ホッケウをぎゅっと抱きしめても、ずっとふるえている。
お母さんはずっと眠ったまま、なんだかとっても苦しそう。
ホッケウはなやんだ。
たくさん、たくさんなやんだ。
それでもわからなかったから、ホッケウは森の中で色々な生き物に相談をした。
「お母さんはどうしたらげんきになるの?」
森の皆は困ったような顔をして、だまって遠くに行ってしまう。
ホッケウは森の奥まで行って、そこで森のお医者さん、ふくろう先生に出会った。
「にんげんの町のおくすりを飲めば、お母さんはげんきになるかもしれない」
物知りなふくろう先生の言葉を聞いたホッケウは、にんげんの町に行こうと思った。
木の枝とこの葉でつくったお洋服に、水辺の砂で顔をおめかし。
ホッケウは色んなものを使って、にんげんのマネをした。
とっても不器用なおめかしだけど、ホッケウは一生懸命。
ホッケウはほとんどのにんげんが見ることは出来ないのだけれど、
ずうっと森に住んでいるホッケウはそれを知らなかった。
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