13.きみと生きたい

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…… 私と芳が抱き合っているというのに、 光正は何ごとも無かったかのように 私達の元へと歩み寄ってきた。 言わなくちゃ。 もうこれ以上、引き延ばせない。 芳が強引に私を離そうとしたので、 光正を見つめたまま芳の手を握る。 言わなくちゃ。 言わなくちゃ。 言わなくちゃ。 言葉は出たがっているのに、 それを舌が封じ込めていた。 …これで何もかも変わってしまう。 私の人生も、 大きく変わるに違いない。 でも。 この人のいない未来なんて、 考えられないのだから。 言い淀む私の手をそっと押しやって、 芳が口を開いた。 「雅、もう遅いから番匠さんと帰りな」 それは時刻のことを 言っているはずなのに、 何故だか私達のことを指しているようで。 遅くない!遅くなんかないんだよ! だって芳はまだ生きているんだから。 思わず焦って私も口を開く。
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