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 二人が並んで手を繋ぐ光景を思い浮かべる。ズキ、と胸が痛んだ。痛くて、悲しくて、辛くて、……私が彼の隣に立ちたい、と願ってしまう。  つぅ、と涙が頬を伝う。拭っても、拭っても、流れ続ける涙。そこでやっと、理央は理解した。 (私、あいつのこと、……好き、だったんだ)  今まで自覚していなかった想い。それが、彼に彼女ができることによって(あらわ)になり、そして儚く散った。 (きっと、あいつは知ってたんだろうな)  理央が、彼に恋していることを。  幼馴染みだから。幼馴染みだから、相手のことを相手以上に分かってしまう。だから彼も理央の想いに気づいていて、わざわざ伝えに来てくれたのだろう。理央を必要以上に傷つけないために。せめて、自分で伝えるために。 (ますます、好きになっちゃうじゃん。……ばか)  彼への想いが溢れてきて、胸が温かくなる。それと同時に、胸が痛くなって……。  その場で、理央は声を殺して泣いた。幸いにも、今日は雪が降っている。全て、雪が吸ってくれる。  はらはらと舞い降りる雪の中。理央はしばらくの間、初恋の甘さと失恋の痛みを噛み締めていた。
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