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4月も半ばに入り、最初の行事は文化祭。 文化祭は6月だと言うのに、僕のクラスはやけにノリが良かった。 「なあなあ、アレはどうよ?バカッコイイ動画ってヤツ?」 「あんなのがカッコいいとか思ってんの、ほんの少数だけでしょーが。もっとマシな意見だしなよ」 「楽しければいいんだよ」 「アンタに任せるとなんか不安だわ…」 他に意見ないの?と学級委員が全員に話を振る。 しかし全員、微動だにしない。 そして一人の男子生徒が口を開く。 「あれ、そう言えば、アイツは?」 「保健室だよ。頭痛が酷いとさ」 「それならしゃーねえか」 彼の言うアイツとは、クラス替えがあった日に、偶然目が合った(と思いたい)彼女だった。 その子の名前は、相川(あいかわ)早希(さき)。 このクラスで図書委員を任されている子だ。
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