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私たちははるか昔に彼らがいた事で世の中に存在し得るものであり、彼らがいなければ存在し得なかったものである。
私たちは元は虚無空間に漂っていた何でもない物だった。
漂って…漂って…漂い続けて…。
黒い手がこちらに向かって伸びる。そして呻き声のような不定形で外に放出される。それがそこかしこに広がり、いっぱいになった。
ある時、不定形だった私たちは彼らによって明らかな形を持って分けられ、私たちに生きる意味を教え、変化していった。カクカクだったり、ぐにゃぐにゃになっていたり、また体の構造が複雑なものもいたりと、十人十色だ。
彼らは突如私たちを殺し始めた。跡形もなく消される物もいれば、精神ごと体の改造を施されて戻ってくる、「死んでいるも同然な物」もいた。そして…
そして私は、数えるのも億劫なほどの歳月を生き続けている。そしてこれから、宇宙が終わるまで生き続ける事だろう。
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