眠り姫は、秘めたる夢の中を今宵も彷徨う。

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紫陽花の咲く頃、私は生れた。 初夏が終わりを告げ、梅雨に入っていた。 私は梅雨の晴れ間のような、雨上がりの湿度が好きだ。 乾いているのは嫌いだ。 しっとりと雨降る日も、私は傘をさして、森の中を彷徨いたいのだ。
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