本音を言えば(完結)

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 少年は起きている間はいろんなことに鈍感なのだが、眠ってしまうと何故か夢遊病のような状態になり、結界に近づいてきた悪いものも含めて全て撃退してしまうのだった。ただし起きているわけではないので魔法の使い方に配慮がない。あっちの方向に悪いものがいるとわかれば部屋の中でもなんでも魔法をその方向にぶっ放してしまう。おかげで今までに少年の部屋はすでに2回破壊されていた。  寮監が困り果てて聞けばその”寝相”のせいで長年屋外で眠っていたのだとか。故に少年はやはり寮の外(一応屋根の下)で寝ることを義務付けられたのだった。  しかしみな少年を退寮させたいとは思っていない。はっきりとは言わないが、やはり悪いものを半ば自動的に撃退してくれるというのは助かるのだ。 「正直寝相をよくされちゃ困るんだよなー」  少年がぷりぷりしながら寮の食堂へ向かったことを確認し、ルームメイトの青年はとても小さな声で呟いた。後で機嫌取りにプリンでも渡してやろうと思いながら。  少年が屋内で眠れるようになる日はくるのか? 残念ながらまだ誰も知らない。    おしまい。
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