第1章

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第1章

 平成が終わった。 そして、日本語変換で「天皇」と入れると「旧名称:訂正候補>日王」と警告が出る世の中になった。 こうなる直前に陛下を亡命させた事件関連の事をウェブ検索すると、別のサイトにリダイレクトされる。 そんな世の中が来た。 Googleは東京オリンピックの後、少子高齢化で購買力の無くなった日本市場よりも中国市場のほうを選択した。 中共検定教科書で義務教育を受けた子ども達が12年経てば、世代として天皇家のことも戦前戦後の日本のことも、全て『なかったこと』になるのだ。 教育は全て中共礼賛になっていった。それに教育界は何の疑問も持たなかった。子供たちにはこれからの世の中で生きていく力を与えるのが教育だと思っていたし、これからの世の中は独立よりも大事なものがあると教えるべき世の中だと彼らは信じていた。 日中の雪解け、のはずが、いつのまにかそうなっていた。 一部の人々は、この雪解けはおかしいと思った。 でも、そのときにはすでに他に方法がなかった。 いつものように、大きな動きに個人では抵抗できなかった。     
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