失恋の続き

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*  アイスクリームショップの二階は六割くらいの席が埋まっていて、その中には同じ高校の制服を着た子もいる。  いまわたしは、信じられないことに時田くんと向き合ってアイスを食べている。ほかの誰も誘ってなくて、正真正銘時田くんとふたりだけだ。  なんでもないみたいな顔をしているけど、ほんとは心臓がばっくばくだった。普段はトリプルだっていけちゃうのに、シングルにしてもらったアイスすらなかなか食べ進まない。  時田くんはチョコミン党を豪語し、チョコミントとチョコミントの間にストロベリーチーズケーキというセレクト。  なんでこんな状況になっているかというと、今日はミーティングだけで練習がないという時田くんが、この間泣かせたお詫びって誘ってくれたからだ。  時田くんのために泣いたんじゃないけど、ズルいわたしはそれを言い出せないまま誘いに頷いた。 「時田くん、話聞いてほしかったり……する?」  向かいの席でそわそわと落ち着かないのは、緊張してるからじゃない。そんなことはよく分かってる。 ──だとしたら…… 「嫌?」 「いいよ……だって誰にも言えないんでしょ?」 「うん。けどまた泣かせたら悪いからどうしようかなって」
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