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  やっぱりここに来て正解だった。 出てきた料理を前に、目を輝かせながらしみじみと思う。 「やばっ!すごい!美味しそう!すごいっ!」 この沸き上がる感動を彼に伝えたいのに、肝心の言葉が伴わないから、自分の語彙力のなさが悔やまれて仕方ない。 「ははっ。喜んでもらえたみたいで何より」 美味しいと宇佐美さんおすすめのバゲットは、真ん中がくりぬかれて器のようになっていて、そこにはとろっとろのチーズがたっぷり詰まっている。 周りにはいろんな野菜とミートボール、くりぬいたバゲットをさいの目状にカットしたものが盛り付けられて、カラフルで可愛らしい。 「女の子は絶対喜ぶ!」 「そ?」 満足げに目を細めながら、宇佐美さんは向かいの席に腰掛ける。 「温かいうちに食べよう」 「はいっ!いただきます」
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