さよならのあとに

４

あぁ、ダメだな。
全然平気だって思っていたけれど、やっぱり自分で思う以上に弱ってるんだ。
ただ、取り乱していないだけで。
時折錯覚しそうになるけれど、これは、違う。
優しさが心に沁みるだけ。
寂しさが温もりを求めているだけ。
この心地よさは、今の私だから与えられるもので、今の私だから得られるもの。

「りりちゃん？」

ぼんやりする私の顔を、宇佐美さんが不思議そうに覗き込む。
慌てて笑顔を作ってみせる。

「どんな人たちだろ？宇佐美さんの大事なお友達」
「大事な……って、いや……まぁ、そう……なんだけど」

言葉を詰まらせながら、宇佐美さんは気恥ずかしそうに、大きな手で口元を覆う。
その可愛らしい姿に、思わず目を細める。

「うんざりすると思うよ。ホントに、予想を超えるぶっ飛んだ奴らだから」
「えー？」

いまいちはっきりと想像できないけれど、その表情を見るに、気を揉んでいる彼の姿だけは簡単に思い浮かんで、クスクスと笑う。