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「あ……あの、ごめんね?別に無理して答えなくていいから!ごめん、変なこと聞いちゃって」 黙り込んだ私が、答えに困っていると思ったのか、彼女は慌てて両手を合わせ、肩をすくめる。 「あ、いえ!ごめんなさい。そういうんじゃなくて……なんか、自分では全く気付かなかったから、少し驚いただけで。……何か変わった、というか……実は少し前に、付き合ってた人と別れちゃって」 ははっ、と乾いた笑いと一緒にそう返す。 「あー、なるほど。そういう事か!でも、もういい感じの人、いるんでしょ?」 「へぇ?」 特に同情を求めていたわけでもないけれど、予想の斜め上をいく思いもよらない質問を、いたずらっぽい笑顔で投げられて、おかしな声が出てしまった。 一体、何がどうなって、そんな質問になるのか。 頭の中は疑問符でいっぱいになる。
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