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「ねぇ、沙羅ママにイケメンって言われちゃった。沙羅もそう思う?」
朝でも残暑は厳しいのに、なんで悠君はそんなにいつもご機嫌なんだろう。
しかも自分が美形だって今まで自覚してなかったとかあり得ないよ。
「……学校のみんなはそう言ってるよ」
私はボソッと呟いた。
「みんなじゃなくて、沙羅にそう思ってもらえなきゃ意味がないじゃん。俺は沙羅にだけモテたいのに!」
「はいはいそうですか」
「ほらね、全然モテない!」
無表情を装って会話を流してみても、ほんとはずっと心臓が跳ねていた。
悠君が廊下を歩くだけで、あちこちから女子のピンクの声が上がるのに、それが聞こえてないはずない。
誰の目から見ても悠君はイケメンでしかないのに。
それなのに、太りたいとか言うんだもん。
ほんと信じられない。
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