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「雅ちゃん、これどう思う?」
「気持ち悪かったら警察に届け出すかな。そうじゃなければすぐにでも電話かけ直す。沙羅ちゃんは?」
「ううっ、雅ちゃ~ん!」
女子力高めの優しい言葉が嬉しくて、思わず抱きついてしまった。
「それって幼なじみの男の子でしょ、イケメンなんだってね。いいなぁマンガみたい」
そう言われたら、さっきの黒髪眼鏡王子が悠君なんだとはとても言えなくなった。
「でも、こっそりバイトしてたり、思わせぶりな態度取るくせにちゃっかり別の女の子をキープしてたりしてて、どこか信用できないの。フタ開けてみたら秘密ばっかり」
さっきのお店での衝撃が今頃になって「不安」という形で押し寄せて、歩道橋の柵にもたれかかってしまった。
膝に来るほどに、自分がショックを受けていたことを改めて自覚した。
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