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「でもねぇ、年頃の女の子ひとり残してっていうのは実際ママも心配なのよね」
「だよね、普通そうだよね!」
ひとりじゃこの家は広すぎる。
夜中に物音とかしたら、私どーすればいいのかわかんない。絶対パニックになる。
でもパパのことも気になる。
パパはずっとひとりぼっちなんだし、身体の自由まで奪われてるんだもん。可哀想。
「……番犬として悠君置くか」
「えっ、俺?」
「無理無理! それはそれで困るって!」
あり得ないあり得ない。
マンガのなかでしかあり得ない展開だよそれ。
「ひとりよりはマシじゃない? ね、悠君。沙羅のこと任せて大丈夫よね?」
「うーん、別にいいけどさぁ」
「悠君! まず犬扱いされてることに腹を立てようか?」
「あっ、ほんとだ! ママめー!」
なんだこの能天気!
凄みがなさすぎる。
「あとさ、ママの口車に乗せられちゃダメだよ。無理なら無理って言わなきゃ。ひとりの時間も大事だもんね?」
通うくらいならよくても、住むのは悠君的にも困るはず。だって私達、高校生の男女だもん!!
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