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神様がいない国。
神様なんて、知らない惑星。
私は死してそこを浮遊する。
炭素も酸素もチッ素も、無い。
只ぼんやり思うこと、それは、そこにはもしかすると、何かがあったかも知れないこと。
何かがある。ことだけわかった。
身の穢れを知らない少女は、そこにふわりと降りたって、
「そしたら、ここを私の世界にしても、いいのかしら。私が神様ね?」神様がいない。死んだ惑星。
なぜ、人は生きようとする?
私はかつて、美しい物を見てきた。
美しく無いものは、なぜ排除されなければならない。
分からない。
この惑星は霊力に満ち溢れている。ただ少女のみがわかった。
気持ちの良い場所だ、と、感激した。
霊力が高い者は滅びた?
気持ちが悪い、とどこかで罵られて、心に秘めていたものが、どっと溢れ出してくる。
私は、中性の、地球でいう女だ。男だったら、気持ちいいなんて、思うのかしら。
このような場所に、淫らな物をおいていけば、たちまちにして、無くなってしまう。
それは、神のいない国では、絶対の法則だ。
綺麗な、場所。少女は只、この美しい、いいえ、他人からは決して美しく見えない場所を大切にしたい、と思った。
私が神様になってもいいの?
少女は、どうやって神様になるのかがわからなかった。
神様に称号なんて無いのかもしれない。
只、なりたかったら、なれるのか、と思い、自分は呪われているのかと思った。しかし、地球という惑星では、美しい、という言葉で称賛された。
何もない世界に私がいる。
只それだけでいいんだ。
私は、死のエクスタシーを感じた。
死人は出て来なかった。
ただ、くつくつと石が笑っていた。
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