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「神様どうか僕を悪い子にしてください」
僕は神社で祈った。毎日祈った。今日で百日目。
僕は苛められている、でも僕はやり返すことが出来なかった。
毎日が辛くて死にたい。今日で駄目だったら死のうと思っていた。
神様が居るなら僕を助けてください、お願いします。
神社を出るといじめっ子達が居た。いじめっ子たちは5人組。そのせいかいつもヒーロー気取りだ。やってることはいじめなのに。
こちらには気付いていない、僕は神社に向き直り
「あいつらです。神様、あいつらに天罰をお下しください」
僕が手を合わせると車の急ブレーキの音と何かの衝突音が聞こえた。
そちらを見るといじめっ子達が全員倒れていた。
歩道の無い細い道で見通しの悪い曲がり角。
たまに軽い接触事故は起きていた。
しかし今日は違った。かなりスピードが出ていたのだろう大きな事故。起き上がろうとする子も居たが、全く動かない子も居た。
そして車はその子達を置いてそのまま去っていった。ひき逃げだ。
僕も怖くなり神社に引き返し、別の出口から出て急いで学校に向かった。
車が去ったあとのいじめっ子達のうめき声が思い出せた。
死んだのかな?死んだなら僕はもう苛められないよね。
祈るようにクラスの自分の席ですわっていた。
チャイムが鳴りビクッと体が跳ねた。
友達は居ない。誰も僕の子となんて気にする様子はなかった。
暗い顔で先生が教室に入ってきた。告げた言葉はひき逃げ。
5人全員発見が送れ死亡したらしい。
僕は全身から血の気が引くのを感じた。
僕があの時通報していれば助かったかもしれない。けど僕はそれをしなかった。
僕はその日から悪い子になった。
神様は本当に居たんだ。
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