悪い子

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「神様どうか僕を悪い子にしてください」 僕は神社で祈った。毎日祈った。今日で百日目。 僕は苛められている、でも僕はやり返すことが出来なかった。 毎日が辛くて死にたい。今日で駄目だったら死のうと思っていた。 神様が居るなら僕を助けてください、お願いします。 神社を出るといじめっ子達が居た。いじめっ子たちは5人組。そのせいかいつもヒーロー気取りだ。やってることはいじめなのに。 こちらには気付いていない、僕は神社に向き直り 「あいつらです。神様、あいつらに天罰をお下しください」 僕が手を合わせると車の急ブレーキの音と何かの衝突音が聞こえた。 そちらを見るといじめっ子達が全員倒れていた。 歩道の無い細い道で見通しの悪い曲がり角。 たまに軽い接触事故は起きていた。 しかし今日は違った。かなりスピードが出ていたのだろう大きな事故。起き上がろうとする子も居たが、全く動かない子も居た。 そして車はその子達を置いてそのまま去っていった。ひき逃げだ。 僕も怖くなり神社に引き返し、別の出口から出て急いで学校に向かった。 車が去ったあとのいじめっ子達のうめき声が思い出せた。 死んだのかな?死んだなら僕はもう苛められないよね。 祈るようにクラスの自分の席ですわっていた。 チャイムが鳴りビクッと体が跳ねた。 友達は居ない。誰も僕の子となんて気にする様子はなかった。 暗い顔で先生が教室に入ってきた。告げた言葉はひき逃げ。 5人全員発見が送れ死亡したらしい。 僕は全身から血の気が引くのを感じた。 僕があの時通報していれば助かったかもしれない。けど僕はそれをしなかった。 僕はその日から悪い子になった。 神様は本当に居たんだ。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!