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アホを引きずり帰っている途中、アホはひたすら歩こうとしなかった。
「このアホ!!自分で歩け!!」
そろそろ疲れてきたので引きずるのをやめ、一喝した。
「…わかったよ。」
とぼとぼと後ろを着いてくる。
いつもの事ながら、この代わりようはなんなのだ。
「ねえカズちゃん。僕にも名前があるんだからアホって呼ばないでよ」
さっきとは打って変わってなんてしおらしい。
「カズちゃんて呼ぶな。私は和希だ。そしてお前はアホだ。」
「僕はヒビキだよ…」
そんな会話をしながら帰宅。
両親の帰りが遅いヒビキは小さい頃からよく家に来る。
「じゃ、リビングにいて。」
私は着替えるために自室に戻る。
服を着替え終わったあたりで、リビングから声がした。
「はーっはっは!!我こそは神!!」
「こらーー!!!!このバカ!!!アホ!!何してんのよ!!」
ダッシュでリビングに戻り、一喝、
なんてことだ。なんてことなのだ。
「はっはっは!和希!来たか!!」
和希はヒビキを直視出来なかった。
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