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私は、町に1つしかない診療所で雑用の仕事をしていた。カルテを整理したり、待合いで待っている人に簡単な問診をしたり、非力ながらも先生に尽力を尽くしていた。
畝宗は、背が高く体が大きい割に手先が器用で細かい作業が好きな事から陶器の食器や花瓶やらを作っては少し大きな隣町に行き商売をしていた。
私も自分の仕事が休みの時には、畝宗にくっついて行き遊びがてら手伝いをしていた。
少なからず常連もいるらしい。私は陶器の事はよくわからないが畝宗が作る陶器はとても優しくツルツルしていて何より筆付けの上手さは文句のつけようがないほど繊細で綺麗だった。中でも特にお気に入りだったのが小さい茶碗でそれで飲むお茶は格別だった。
そんな畝宗を私は陰ながら誇らし気に思っていた。
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