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「春香。帰るぞ。」
良太が私の鞄を持ってそう言った。
「自分で持てるから。返してよ!」
「やだよー。だってお前歩くの遅いだろ。」
保育園のころあんなに可愛かった良太は今はこんな奴になってしまった。
鞄持ってくれるとか優しいとは思うのだが。
私は小さい頃のことを思い出してふふっと笑った。
「何?いきなり笑って変な奴だな。」
「別に。保育園の頃は可愛かったなのになって。」
「お昼寝嫌いの春香ちゃん。また、おやすみのチューでもしましょうか?」
と良太は私のことをからかいながら笑っている。
良太も覚えてたんだ。
「今ではすっかりお昼寝好きですよ。」
「授業中いつもよだれ垂らして寝てるもんな。」
「…というわけなんで、日本史のノート写させて笑」
「しょーがねー奴だな。俺ん家寄ってけよ。」
「ありがとう!」
今では私の彼氏の良太。
お昼寝の時間。
今ではとても大好きだったと思える。
だってそのおかげで今、良太と居られるのだから。
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