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一階へ行くと、そこには作り置きされた朝ごはんと、それを食べる妹の葉山 未知瑠がいた。
「母さんは……って、聞くまでもないか」
トーストをかじりながら、未知瑠は俺の方を見て言った。
「へぇ……なんの特色もない制服だけど、和くんが着るとカッコいいね!」
「っ! カ、カッコいいか……!? なぁ未知瑠っ! お兄ちゃんカッコいいのかっ!?」
妹から発せられた単語に、俺は異常なほどに食いついてしまう。
思わず肩をガシッと掴み、顔を極限まで近づけ眼を覗き込む。
「近い、近いって……! でも、和くん頑張ったもんね。 身長は理想の175センチくらいで、体系は細身なのに筋肉はありすぎず無さすぎず。 腹筋は割れてるし、眼もキリッとしてて顔立ちも整ってる。 全く……七年前とはまさに別人だよ。 ……ね、村昌 和人くん?」
唐突に呼ばれたその名前に、俺は悶えて床に転がる。
「うぁぁぁ!! その名前で呼ぶのはやめろって言ってるだろ! 今の俺は葉山 和人だっ!」
「ははっ、ごめんごめん! ……でも、カッコいいっていうのは自覚してほしいよ。 その顔で近づかれると、妹の未知瑠でも……その。 ド、ドキドキしちゃうんだから……!」
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