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モジモジしながら、顔を赤らめ、目を背けて言う未知瑠。
(……っ! この反応が来た時に言うべき、すべき行動はっ!)
「……別に、してくれたって構わないよ。 逆に、勘違いで済まさないでほしい……かな?」
すぐに立ち上がりもう一度、今度はトーストをかじる未知瑠の顔をこっちに向かせて俺はそう呟いた。
「~~~! もう、和くんのバカッ! 確かに今の反応した女の子の口説き文句としては最高の返しだけど、そんなの妹で試さないでよっ! 顔はいいんだから本当に対処の仕方がわからないのっ!」
バシッと胸を思い切り殴る未知瑠。
しかし、全く効かない。 なにせ鍛えたから。
それが未知瑠にも伝わり、かつある程度がっしりとした胸を触ってまたもや顔を赤く染める。
「あぁぁもうっ! どこもかしこも理想とか反則すぎ! さっさと朝ごはん食べて高校行ってよ! 未知瑠、母さんに鍵頼まれてるんだから、和くんが出てくれないと学校行けないでしょ!」
「ごめんってば! それじゃ、トーストだけもらう。 転校初日だし色々と立て込むだろうから早く行っとかないと」
そう言い残すと、俺はトーストだけ取って食べながら玄関に向かう。
「行ってらっしゃい、和くん!」
「行ってきまーす」
こうして俺は家を出た。
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