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世界
世界を破壊し続ける人間も
自分勝手にそれをやり直そうとする神様も
みんなみんな嫌いだった
私は私の意思で動けない
私は私の意思で変わらない
そんな私を自分勝手に好き勝手にする人間も神様も
みんな居なくなればいいのに、と
だから私は、たった一人の人間に私の力を与え生き残らせ
世界を終わらせようとする神様をも赤ん坊へと世界に放り捨てて
人間にとっても神様にとっても最悪のシナリオを作ろうとした
まさかその両者が出会い、お互いを求めてしまうなんて考えても居なかった
私は人間も神様も嫌いだったけれど
それと同時に私を作り、栄えさせた神様と人間が大好きだったのだ
何も無くなった私の上で、これからどう生きていくのかわからないけれど、私はこの二人をみていたいと思った
小さな赤ん坊を抱き上げる女の子は、どうしようもなく母親の様で、私もその腕に抱かれて安心して眠りについてしまいたいとさえ思う程だった
そう、私が思ったからかどうなのか
焼け野原の筈の私の大地に小さな生命が芽吹くのを感じた
嗚呼、せめて、その小さな生命があの二人を守るくらいになって欲しいと、私はどこかで思っていた
いいや、私にはそれが出来るだろう
だって私は
生命の惑星、地球なのだから
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