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「ヒーツロイスは緊急だったの。自分の事を嫌いになってしまう前に、珠歩に続きを書いてもらうのよ」
「全部元通りでないとお可哀そう。そうなるように続きを書いてもらうのよ」
「でも珠歩を責めたりしちゃダメよ。だって珠歩だって思いもよらなかったもの」
「書いた世界が生まれてしまうなんて、珠歩は普通のヒトになれなかったのよ」
――あの場所と、――をお願いね――。
ふいに耳元に届いたのは、あの時に聞いた、朧げなおねえさんの声。最初は、この夢だけのことだと思っていた。
けれどきっと、お姉さんはこうも言っていた。
―――私の子達をお願いね―――と。
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