V.秘密の住処に招かれて

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「ヒーツロイスは緊急だったの。自分の事を嫌いになってしまう前に、珠歩(かあさま)に続きを書いてもらうのよ」 「全部元通り(ハッピーエンド)でないとお可哀そう。そうなるように続きを書いてもらうのよ」 「でも珠歩(かあさま)を責めたりしちゃダメよ。だって珠歩(かあさま)だって思いもよらなかったもの」 「書いた世界が生まれてしまうなんて、珠歩(かあさま)は普通のヒトになれなかったのよ」 ――あの場所と、――をお願いね――。 ふいに耳元に届いたのは、あの時に聞いた、朧げなおねえさんの声。最初は、この(場所)だけのことだと思っていた。 けれどきっと、お姉さんはこうも言っていた。 ―――私の子達(あの子達)をお願いね―――と。
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