Ⅵ.二度めまして

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「どうぞこの手で、私の呼吸を止めてくださいな」 「できないよ」 「作文は苦手だったかしら。この間の読書感想文では、いい事を書いていたように思えたけど。でも大丈夫。私の生命活動がしっかり終わった事がわかる描写を巻末に書き加えてくれさえすれば……」 「できない、と、言ってるよね?」 ヒーツロイスの目が丸くなる。その目は、予想外だ、と言っているようで、ますます目の前がまっくろに、ゆるんでまっしろになっていく。
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