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幼い私は、交差点に立っている。
あの曲がり角の向こうにある、ドーナツ屋さんに向かう所だった。黄色と白の縞しま屋根が可愛いお店で、お店の人もおばさんも笑顔が素敵で。
あそこのはちみつドーナツを売る仕事。それが、あの頃の私が一番やりたかった、将来の「夢」だった。
だけど、
「――私の、『夢』を継いでほしいの」
離れた所に、靴が二足共、転がっている。
目の前の女の人は、私の頬を両手で包んで、裸足で立ちながら私に言う。
「あなたの『夢』は、幸せを見届ける仕事がしたい、だよね? それならきっと、ピッタリだからさ―――」
―――どうか、あの場所 と―――、を――お願いね―― ―― ―
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