Ⅲ.ようこそ、夢占い喫茶:ショコレットへ!

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朝日が差し込む気配に目を覚ます。 きちんとカップをテーブルに置けていただろうか。机に散乱していたら、箒とちりとり達が綺麗に片づけてくれているのだろうけれど。 「まだいい香りがするのになあ……」 口の中のアールグレイは、強く、優しい柑橘の味を色濃く残していた。 それが私の中に、勇気をくれる。 お姉さんがあの場所に残していたものを辿っていけば、ミセを続けていたら、きっといつかおねえさんに会える。 現実と夢の時間をつなげていれば、おねえさんを見つけられる気がする。 その思いだけは最初と変わらず、まだきちんと、私の中にあるから、 今日も、どちらの時間も生きていく。 少し寝不足なのは否めないけれど、朝日が昇った。伸びをする。 キンモクセイの甘い香りが、風に運ばれ窓からはいってくる。 文化祭一日目。制服に腕を通して、学校へと向かった。
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