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目を覚ますと、白い服を着た中学生くらいの少女が、二つのカップに紅茶を淹れてくれていた。
「……?」
「どうぞ」
「え。あ、どうも。ありがとうございます」
そんなやりとりをして始めて、これは夢なんだと気づく。
最近、夢を見る事なんてほとんど出来なかったのに。きちんと身体がやすまった証拠なのだろうか。
あたり一面は真っ白だが、俺と少女が向かい合って座る赤い椅子や対のティーセット、紫とピンクの花の小瓶、キャンドルランプが置かれたテーブルの周りは、ぼこぼこの木の床が盛り上がっている。床の切れ目には蔦が生い茂っていて、白い空間との境目をつくっている。
変な夢だ。
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