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とはいっても教室全体を閉めるわけにはいかないので、休憩を定めたのは喫茶の部分のみ。夢占い自体のトピックやモチーフの仕入れ先のお店の紹介などを新たに組み込み、展示自体は開放し、始まる前の時間、来訪者のフリースペースとして機能することとなった。
陽津子が帰ってきたときには、教室内はすでに彼女が定めたとおりに機能していた。この機転と行動力ながら、汗一つ見せない陽津子はやっぱりすごい。
帰ってきた彼女にアイスティを渡すと、陽津子は私にシフトについて提言してきた。
「臨時で入ってもらったから午後は大丈夫よ。遊んできなさいな」
明介君、と何故か明介も手招きして、私たち二人を教室から追い出す。
明介のシフトもここで一旦終了だった。
「いいのかな」
よくわからないと首を傾げる明介と同調しながらも、私たちはお祭り一色の廊下を巡る。
おにぎり茶屋でオリジナルおにぎりを作ったり、放送研究会の音声ドラマを見てみたり、クイズ研のクイズ大会を覗いたり、手芸同好会のハンドメイドショップで買い物してみたり……いつの間にかこの心は、文化祭を楽しんでいた。
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