Ⅲ.ようこそ、夢占い喫茶:ショコレットへ!

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「……私に、聞きたいことがあるんじゃない?」 「それは、聞いて今、ゆらが教えてくれる事なのかな」 「……」 「言える時でいいよ。それまで俺の台詞はこうさ。『目、またクマがついてる』」 「……うん。『いつものことだから、気にしないで』」 「了解――それに」 「え?」 聞き返した私に、明介は微笑みを浮かべた顔を向ける。 続きの言葉はそこになかった。けれど明介が安心させるように笑うから、私も一緒に顔をほころばせる事ができた。 明介は、私が夜も事を知らない。 なんとなく、私から話してはいけないような気がしていた。明介に私に纏わるこの現象を言ってはいけない気がしていた。 夢をくりかえすようになった、はじめから……。 少し経ってから、横で明介が小さく開口していたことに、私は気付けないでいた。 「――――――……」 無意識なのか意識的なのか、その声は私の耳に届くことなく、空気の彼方に消えていった。
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