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そんな効果も相まって、この騒ぎは表立ち、大きくなることはなかった。
首を捻りながら一緒に出口に向かった明介と別れ、私は教室まで走っていく。
廊下には、夕暮れの色がはっきりと映し出されていて、それは足音が続くたびに、伸びてくるような感覚に陥った。
なぜか、静かだ。
煩いのは私の足音と、心臓がどくどく波打っている感覚だけで、他の存在は今ここにいないみたい。
先ほど力を使った事と、この急き立てられているような感覚はイコールで結び付けられる事なのだろうか。
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