Ⅲ.ようこそ、夢占い喫茶:ショコレットへ!

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厳しい表情をたたえたまま、私は夢占い喫茶のドアを開けた。 橙の空気と黒い影が一人分、教室に降り注がれる。 あんなに賑わっていた教室の中身は(もぬけ)の殻。 閉店時の、帰りの人の波があってもいい頃なのに、店員もお客さんも、誰も存在していない。 私は意を決して橙の教室に入り込み、椅子に掛けられた占い師のローブを手に取り、身に纏う。 夜時間、夢の中の様な感覚は、再び感じることはなくなっていた。
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