12人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
駄目だ。ここで知らないふりをするのはただの悪手だ。
この状況に関して私は今、危機感という情報しか持ち得ていない。何かが降りかかる予感がするという思いを握りながら、身一つで放り込まれているだけだ。
「大ホールの炎と、ここに誰もがいない事も、あなたが何かをやった影響なの?」
「話に応じた姿勢は褒めてやる。だが人と話す時は相手の目を視るべきだ。不敬だと思わないか?……いや、違うな。不公平だから教えてやる。
フードを取らなかったのは正解だ。あんたは俺に、俺達に暫くはそうやって警戒心を持ち続けるべきだ」
何故ならあんたは自分の置かれている状況に関して無知すぎる。知らされる機会すら、ないってほどに。
最初のコメントを投稿しよう!