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やっと空になったカップに、再び熱々の珈琲がきっちり四人分注がれてから、和歌月さんが本題に入る。
「椎尾さんが引き継いだその『力』……今はそう言わせてもらうね。『力』の持ち主だった人が、私達全員が知っている名前の持ち主なんじゃないかって事が、まず確認したい事なの」
朧げだったおねえさんの表情を、一瞬、取り戻せたような気持ちに陥る。
この話題は暫く私の中でしか繰り広げられていない「物語」だった。
それが奥底から、現実の世界に一気に引き上げられる……私の日常の生活の中に、あるべき場所に連れて帰られるかのように。
私は熱くなる気持ちを抑えながら、和歌月さんの言葉の続きを待った。
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