Ⅲ.ようこそ、夢占い喫茶:ショコレットへ!

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「何のことでしょう? 学校(うち)での公演は安全設備のもとで行われていますが」 額に汗がつたう。先ほどの炎の正体を知っているような口ぶり。まさか、この人が大ホールに火を……いや、火の色をした(ユメ)をみせたの? 一体、何の為に? その行いも、空の教室も、理由になってしまっている。目の前の人物から、今私は悪いものしか感じられない。 「ところで」 男が開口する。 「随分といい布だと思わないか?」 「……はい?」 「折角、一級品の香りが塗布されていたのに。あの暗幕と君の衣装の事だよ」 「……!」 反射的に後ろに下がる。けれどもう、背後には壁しかない。 「そうそう。隠しても駄目さ。人間がここに居るという時点で判明している。残れるのはそう、特別なアクセスができる者だけだ」
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