序章 magic

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「けほっ、けほっ……!」  もくもくと煙が晴れていって……。  じゃん! さっきまで人間だった女の子! あっという間に、うさぎの獣人さんになっちゃいました! 「え……うさぎ? それって、わたしのこと?」  そうだよ。あなたは、フィーのマジックで、うさぎさんになったんだ! 「まさか。人間がうさぎになるなんて、そんなわけ……」  あれあれ? もしかして信じてないの?  フィーは指を鳴らして、大きな鏡を出して……。  ほら見て!  鏡に映ったうさぎさんは、全身をつつむ雪みたいに白いふわふわの毛に、ぴんと立った大きな耳、そして変わる前とおんなじ明るい茶色の長い髪。 「…………………! も、もしかして、このうさぎが、わたし……?」  その通り。かわいいでしょ! 「……やだよ、こんなの……嘘、だよね……?」  かわいいのになあ。 「元に戻して……! やだよ、わたし、うさぎなんて、動物なんて! うあぁん……」   わがまま言わないの。もっと別の動物に変えちゃうよ? 「ひいっ……!」  それでは今から、アシスタントとして、うさぎさんにマジックを手伝ってもらいましょう! 「アシス、タント……?」  ? 嫌なのかな……? 「い、いえ……!」  フィーが再び指を降れば、裸だったうさぎさんが、バニーガールの服を着る。 「あっ、服が……!」  とっても似合ってて、かわいいよ! 「そ、そうですか?」  それでは、次のマジックにいってみましょう! うさぎさん、あそこにあるスカーフを持ってきて!
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