序章 magic

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 その後もフィーのマジックはいくつも続いて、人間の女の子たちがかわいい動物や、おもちゃや、ぬいぐるみに変わっていって……。  ――今度の女の子は……じゃん!   とってもかわいいショートケーキになっちゃいました!  でも、ここで終わりじゃありません。  もう一人出しておいた女の子は……それっ!  赤いリボンでラッピングされた、ピンクの箱に変身!  やっぱり、ケーキにはかわいい箱も必要だよね。  …………あれあれ? 残念ですが、そろそろ終わりの時間になっちゃったみたいです。  それでは皆さん、また会いましょう!  フィーのマジックショーでした!  パチパチパチパチ……。  ――うさぎさん、お疲れ様! 「は、はい。お疲れ様でした……」  えへへ、フィーはまだ半人前だから……。とっても助かったよ。本当にありがとう。 「どういたしまして……」  ……ねえ、うさぎさん。もし良かったら、……。 「……?」  ……これからも、フィーと一緒に、マジックを手伝ってくれたら……嬉しいな、なんて……。 「えっ……」  実は、フィー、獣人に変えるマジックをやってみたのは今日が初めてで……。 「そう、なんですか……」  だから、うさぎさんに会えて、今とっても嬉しくて……。ごめんね、いきなり。嫌だったら、全然、構わないけれど……。 「い、いや……。それなら、やります……!」  ……良いの? ……ありがとう……! これからよろしくね! 「どういたしまして……。……あの」  ……? どうしたの? 「…でも、その代わりに……そろそろ、私を、人間に戻して欲しい……かな……」    ……。
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