序章 magic

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 あ……! もしかして、ファンの子たちなのかな……?  フィーは女の子たちに頷いた。舞台に立っている時よりもずっと緊張しちゃうな……。 「わたしたち、フィーさんの大ファンなんです!」 「あんなに素敵な魔法を使えるなんて……!」 「いつもマジックショー、楽しみにしてます……!」  そうかな、フィーなんて全然大したことないと思うけど……。 「まさか、そんな……!」 「フィーさんはわたしたちの憧れなんです!」 「わたしもあんなマジックをしてみたい……」  ……ありがとうね。嬉しいな。  こんな言葉をかけてもらえるなんて。魔法使いになってよかったな……。 「……それで。……その……」  背が高くてきりっとした目をした、黒髪を後ろで一つにゆわいたの女の子がもじもじとしながら、顔を赤くする。  ……? どうしたのかな……? 「その……実は一つだけ、フィーさんにお願いしたいことが……」 ? なんだろう?
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